根圏バクテリアの多様性と機能
根圏バクテリアの多様性と機能
根圏のバクテリア
植物の根の周りや菌根の中にはたくさんのバクテリアが生息しています。根から分泌される炭水化物などを利用しながら、いろいろな働きをします。その多くは何をしているのかまだ分かりませんが、中には窒素固定をしたり、植物や菌根菌の成長を促進する効果のあるものがあります。
マツに根粒菌?
Rhizobiumといえばマメ科に根粒をつくる根粒菌としてよく知られています。しかし、根粒を作らないマツやヤナギの菌根にも、たくさんのRhizobiumバクテリアが生息していることが分かりました(左図はRhizobium全体の系統樹で赤丸が樹木の菌根から分離した菌株)。
マメ科にしろハンノキ型にしろ、根粒を形成する植物が進化したのは、比較的新しい時代です。根粒よりももっと原始的な時代から、植物とRhizobiumは親密な関係にあったのでしょうね。
植物の根の周りには他にもたくさんのバクテリアがいます。そのバクテリア群集は植生遷移とともに変化することも分かってきました。こうした根圏バクテリアのほとんどは名前も無い、機能もわからないものばかり。
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