中国の問題土壌地域の森林再生

 

アルカリ塩類土壌

中国の半乾燥地にはアルカリ塩類土壌地域が広がっています。その大きさは日本の何倍もあります。かつては立派な森林があったのですが、ほとんど伐採され、今は過放牧により植生が過度に破壊されています。そこで地下水がどんどん蒸発し、底に含まれる塩類が地表に集積します。こうなると植生の回復は難しくなります。

重金属汚染土壌

中国にはたくさんの鉱山があります。その鉱山跡地や廃棄物集積地には植物が無く、雨や風による重金属の拡散が問題となっています。こうした場所に森林を形成し、重金属の拡散を抑えることが大切でしょう。ただ、樹木を植えてもなかなか定着することが難しく、耐性のある菌根菌の力を利用できないか調べています。




モンゴルヤナギ

このアルカリ塩類土壌地で唯一みられる樹木はモンゴルヤナギ。富士山のミヤマヤナギとおなじように背は低いです。もちろん、キノコと共生する樹木です。調べてみると、こうしたアルカリ土壌に強い菌根菌が見つかりました。富士山でみられた植生遷移と同じように、モンゴルヤナギとその菌根菌が、その後の樹木の定着を促進する核となれば、森林再生も夢ではないでしょう。

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