東南アジアの熱帯雨林再生

 

東南アジアの熱帯雨林

東南アジアの熱帯雨林はフタバガキ科の樹木が優占しています。その祖先はゴンドワナ大陸。インド亜大陸にのってアジアにやってきました。東南アジアで一気に多様化し、現在はおよそ500種が知られています。樹高は数十メートルで、用材に適している種が多く、東南アジアの林業・経済を支える重要な樹木です。

フタバガキの菌根

フタバガキ科も温帯のマツ科やブナ科などと同様に、キノコと共生して菌根をつくる樹木です。実際に、フタバガキ林の土壌を掘ってみると、ほぼ一面に(林床の8割以上に)菌根が分布しているのが分かりました。根に感染しているキノコの種類によって、菌根の色や形も様々です。

菌根菌の多様性

ほとんどの動物や植物は熱帯ほど種が多く、高緯度に行くに従って多様性は低くなることが知られています。実際にインドネシアのフタバガキ林には1ヘクタールで300種近い樹木が存在し、ロシアやカナダの全国土に分布する種数を上回ります。ところが、動植物と同じ真核多細胞生物である菌根菌は、どうやら熱帯の方が多様性が低いようです。生物の多様性がどのようにして決まるのか、興味深いですね。

熱帯林の再生

残念なことに、東南アジアのフタバガキ林の多くは伐採されたり、火災により、破壊されてしまいました。焼けた森林を調べてみると、フタバガキに共生していた菌根菌もほとんどみつかりません。熱帯の薄い土壌は火災の影響が特に深刻なのです。こうなると、菌根菌に頼って生きているフタバガキ樹木が自然に定着するのはとても難しいでしょう。菌根菌を利用して効率的に熱帯林を再生するための研究を進めています。

Tedersoo & Nara 2010, New Phytol.より改変

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